物書きになりたい嫁と、レビュアーになりたいテツの二人三脚的くんずほずれつなトークをミディアムレアでご提供いたします。

2013年7月7日日曜日

イリアス感想戦

http://ustre.am/UJBc  #honyometalk

それにしてもピカチュウが乱入した時は正直焦りましたが
無事に今回も収録できました。
アレッサンドロ・バリッコの「イリアス」です。

何度か言及はしていますが、セリフや描写のうねるようなリズムは
もう少ししっかり朗読してみたかったです。
読まれる方はその辺のところも味わっていただきたいです。

さて、神様が跋扈する世界なわけですが、
バリッコ版では、だいぶそれが割愛されています。

ただ、他人とはまったくの暗闇でないにせよ、
およそ窺い知ることのできない謎の物体です。
僕ら現代人にとってはそれこそが事実として受け入れやすいので
このようなバリッコ版の「神を極限まで省略する」ことができたのでしょう。

逆にわれわれはどこからでも神を呼びおこせるような
多神教世界に入りつつあるのだということを、
もしかするとこの作品は知らせてくれているのかもしれないです。

そして、それは戦いの時だけでなく、
むしろ人々がひっそりと黙りこくってしまうようなシーンにこそ、
燦然と輝く死者の鎧に現れているような気がします。